グローバルIT企業は、自由な気風の中に
厳しい自己責任という
アメリカならではの社会的文化の上に成り立っています。
そんな文化的背景も垣間見てきたのですが、
その流れで言うと、
たとえば、ニューヨーク近郊に家族と同居している、
大学卒業したての女性でも、仕事さえあれば、
アリゾナの砂漠でも引っ越して働く。
アメリカ人にとっては、
転職するという事は=引っ越しもする、という文化なのです。
なので、そもそも日本とは社会的文化が違うと言えるでしょう。
ところで、私はグローバルIT企業の本社を視察見学していて、
各社に共通する感心した事があります。
それは、世界中から「Aタイプ」と呼ばれる、
バリバリ働く人財を採用しているにも関わらず、
どこでも社内には、各社が大切にしている
「ことわざ」や「格言」があちこちに大きく貼られていることです。
可視化ともいえますが、
売上・業績はもちろんのこと、
会社が大切にしている、理念やクレドは言うに及ばず、
仕事の仕方に至るような格言も随所に貼りだされています。
グローバルIT企業と言うと、
誰もがイメージするような、
シンプルで仕事がはかどりそうなオフィスを想像しますが、
実際のオフィス内はまったく違います。
むしろ雑然といった印象です。
しかし、単に雑然としているわけではないのです。
理念・クレドから始まり、格言やことわざが、
目のつくところに貼ってあるのです。
まあ、装飾やイラストなども、
あっちこっちに楽しい感じで施されて貼ってあるのですが。
むしろ、所狭しと何か貼られている感じです。
たとえば
「パーフェクトを求めるよりも、今の仕事を早くやり遂げよう!」
こんな格言が、あちこちに貼られているのです。
(多くの会社を見学しましたが、
オフィス内は撮影厳禁で撮れませんでしたが)
つまり、そこまでして自社のあるべき人財の像や、
企業文化を大切にしている、ということです。
そんな、グローバルIT企業は
「イノベーション=革新」を起こすことを、
そもそも目指している、と書きましたが、
具体的な今後の展望として、
どこでも口をそろえて、話していた近未来、
それは一つは
グーグルなどの検索の時代の流れから、
SNS=集合知という捉え方の時代になっていく。
自ら検索しなくても、SNSを通じて
自分の疑問や考えについて瞬時に世界から返答がある。
そんな時代がすぐ来る、とのことです。
今年の1月にはグーグルのアクセスを
フェイスブックが抜いたそうです。
二つ目は、
もともとアメリカは多民族国家です。
ヒスパニック系やアフリカ系アラブ系の方々がものすごく多い。
アメリカ国内でさえ、英語が読めない人がものすごく多い。
だから形の同じ缶詰には
中身のイラストが必須になるわけです。
そんな文化的背景の中で、研究し始めたもの、
それは言葉が要らないコミュニケーションです。
ピクトグラム(トイレのマークのようなあれのことです)や
イラスト、キャラクターで全てを伝えていこうという
研究を始めたそうです。
私はその話を聴いて、
「近未来はアクアの時代だ」
「世界はアクアの登場を待っている」
グーグルなどが研究し始めた未来、
それは言語に極力頼らず、
直感的に以心伝心できる未来だったのです。
つづく・・・。