皆さんも良くご存じの、
日本の小惑星探査機
「はやぶさ」の話を、
東京同友会の講演で聴きました。
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
「はやぶさ」
プロジェクトマネージャーの
川口淳一郎氏の講演です。
感動です。
涙です。
ニュースを見たり、
関連本を読んだりで知ってはいましたが、
責任者の方の話を直接聴くと、
その御苦労や、
何を目指したのかが生々しく聴けて感動しました。
当初3年で帰還の予定が、
7年かかって地球に返ってきた。
計画開始から25年たっての実現だったそうです。
20年以上前、
計画開始直後アメリカのNASAに共同でやりませんか?
と日本は話を持ちかけたそうです。
その時は、けんもほろろで、
相手にされなかったそうですが、
何と数年後に企画だけイタダキされて、
NASA単独で打ち上げられてしまった。
その時に、アメリカはまたもや世界で一番早く達成した、
とニュースになった。
日本の関係者は悔しかったそうです。
ですから、企画を修正して、
NASAがためらうような事をしよう。となった。
世界で一番早い
(月着陸はアメリカが一番乗りだ、と同じ発想です)は
アメリカに持っていかれたが、
「日本は世界初という事にこだわって行こうじゃないか」
と話し合ったそうです。
ポイントは五つ
① イオンエンジンであること
② ロボットであること、自律的な航法と誘導
③ 重力の小さな星の上でのサンプル採集
④ 大気圏への再突入とカプセル回収
⑤ スイングバイの併用
技術的には上記の事なのですが、
私が言いたいのは、
プロジェクトに参加した方々のマインドの話です。
このような、最先端技術の集大成の
プロジェクトがなぜ成功したのか?
打ち上げから、
3年で地球に帰還するはずだった計画が、
なぜ7年かかってまでも、
劇的な最終章を迎えることができたのか?
それは、プロジェクトに関わった全員が
「あきらめなかった」
「できないと言わなかった」
からだったそうです。
エンジンが完全に壊れたのに、生き返らせた。
全員が
「プロジェクトのゴールは地球だ!」
と声を掛け合ったそうです。
そして、この壮大なプロジェクトの成功を通して、
最終的に関係者が学んだもの、それは
「技術よりも根性だ!」
ということだったそうです。
感動しました。
その会場には、数百人の経営者がいたのですが、
すすり泣く音が聞こえていました。
隣に、知人のIT会社の社長がいたのですが、
その社長もボロボロ泣きながら聴いていました。
私も感動でウルッ、ときていました。
講演した、川口氏が本当に言いたかった事、それは
大きな事を成し遂げるとは、
いったいどうゆうことなのか?
そこに流れている根本的なことは何なのか?
という事なのです。
最後に川口氏が締めくくった言葉は、
「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えない!」
でした。
つづく・・・。