前回お話しました、
趣味で絵を描いている人に頼むのではなく、
「プロとして絵を描いてます」
という方に頼む場合の方法をお話します。
近所でうまいと評判の、
趣味で水彩画を描いている知人に絵を頼むより、
ほとんど(あるいはまったく)知らないプロの人に
絵やイラストを頼む方が不安は増しますよネ。
高いんじゃないかとか、
どうやって頼めばいいのかとか、です。
他に本職があるけど、
金をもらってイラストも描いています、
という人たちです。
いわゆる“セミプロ”です。
実は絵画やイラストの世界は、
このセミプロの層が一番多いです。
「私はプロのイラストレーターです」
という人が100人いたら、
99人はこのセミプロです。
他にも仕事を持っています。
逆に言うと、
イラスト一本で食っていくことはそれだけ難しい、
とも言えますが。
まあ、お金をもらって描いているだけでも、
本人はプロと思っているでしょうが。
ちなみに、アクア制作社員をはじめ、
関係者は全員本物のプロです。
絵一本で食べてます。
それはさておき。
ステップ1
まず、「作品を見せてください」と言って、
作品サンプルを見せてもらいましょう。
その作品の中で、
このタッチがいいなあと思えるものを探しましょう。
前回の趣味で描いている知人同様、
作品にないタッチはNGです。
作品サンプルに気に入ったタッチがなければ
「作品サンプルありがとうございました」
と言って、お返しましょう。
これで終わりにできます。
「素晴らしいですね!」とか
「素敵な作品ばかりですね!」とか、
作品を見せてくれたわけですから、
一言お礼を言いましょう。
お金を払ってでも
「是非、頼みたい!」と思ったら、
まず、どのようなイラストを描いて欲しいのか、
もう一度整理して、考えます。
ステップ2
実際に発注(頼む)する前に、
作品サンプルの中から選んだものについて、
オリジナルで描いてもらったら
いくらになりますか?と聞く。
これを必ず先にやってください。
描いてもらってからはダメです。
想像以上の金額になる可能性もありますので、
行き違いを防ぐために
「頼みます」と言う前に、料金の話をしましょう。
下準備1
料金の話と同時にやることなのですが、
あなたが描いてもらいたいイメージの
イラストの説明図を作ります。
“丸かいてチョン”
くらいでイイですので、
どんな絵で、どんな構図なのかを、
言葉以外で説明するための
カンタンな書類を作ります。
これを描けば、相手には大体伝わります。
下準備2
結婚式で使いたい等、
あなたに思い入れがあるなら、
描くモチーフの資料を探します。
たとえば、新郎新婦を描いてもらうためには、
写真が必要ですよね。
その写真は、
なるべく本人の顔が大きく映った笑顔の写真を、
数多く探します。
“遠い友人だから手に入らない”
ということで、
学校時代の集合写真でこの人、
という指定は、NGです。
まったく似ないどころか、
違う雰囲気の人になる可能性すらあります。
人物にしても、家や、動物、モノや、風景だとしても、
資料を渡してあげると、
あなたのイメージと合致する精度が格段に高まります。
納品形態の確認
水彩画で原画がもらえるのか、
パソコンで描いたものを
CD―ROMのデータ納品になるのか、
あなたの使用状況を詳しく説明しましょう。
あなたに合わせてくれます。
打ち合わせの最後に言うこと
そして、一通り説明したら、最後に、
「あとは、イイ感じで味付けしてください!」
と言います。
この事はけっこう重要で、
相手もお金をもらってやるわけですから、
言われたとおりキッチリがいいのか、
味付けしてほしいのか、迷うのです。
イイ感じに味付けしてくれた方が、いいでしょ。
納品の時には
イラストを受け取った時に、
大体満足できるものだったら、
少しオーバーに喜びましょう。
「いいですねえ、最高です!」
こんな感じです。
どうしても満足できないものだったら、
修正してもらいます。
決してOKしてはいけません。
追加料金はかからないはずです(一応確認してください)。
結局は人間関係ですから、
イラストみたいなものは、
機械が作るものではないので、
描く方もどうなんだろう?と内心不安なのです。
相手がセミプロならなおさらです。
描き手は喜んでもらってこそのもの、
と思ってますから、
イイのか悪いのか、が重要なのです。
ここまでやれば、
あなたが仕事や生活の中で、
頼んでみたいと思ったことから始まった絵やイラストは、
お披露目したときにきっと
「素晴らしいですネ」
とみんなに喜ばれること請け合いです。
試してみてください。
あなたも、恐れずに頼んでみると、
仕事や生活に“潤い”が出てきますよ。
今回も、お読みいただいてありがとうございました。
つづく・・・。